生きるということ
生きるということは、とても難しいことです。
空気が無ければ、人間は生きていけないし、
食べ物や、飲み物が無くても生きていけない。
休まないと、過労死したりもします。
ちょっと油断すると、病気になって、すぐに死んでしまいます。
あらゆる危険から、うまく逃れたとしても、最後には、必ず寿命が尽きて死んでしまいます。
なんで、人は、死ななければならないのか?
死ぬのは嫌だよ。
今の科学でわかっている恐るべき事実があります。
寿命は、遺伝子の中に、最初から、プログラムとして組み込まれていて、どう足掻いても逃れられないという事実です。
人体とは不思議です。
常に、機能的に出来ていて、自然治癒力や、欲望という本能というものまでもが備わっていて、とにかく、生きるという事への執念は、すさまじいものがあります。
その生命が、…です。
自ら、遺伝子というプログラムに、寿命という時限爆弾をセットしているのです。
何で!!??
そう思わずには、いられません。
実は、今の自然科学では、その答えも用意されています。
あなたは、今まで、一度も死んだ事がないと思われているのではないでしょうか?
人間の体は、無数の細胞で出来ています。
あなたが食べたご飯で、あなたの体が、毎日、新らしい細胞を作り出して、古い細胞と新しい細胞が入れ替えられています。
全ての細胞が入れ替わるのに、だいたい5~7年かかると
言われています。
つまり、7年前のあなたと、今のあなたは、まったくの、別人だということです。
記憶は同じでも、体は別人だということです。
だんだん、生きてるのか、死んでるのか、理由が分からなくなります。
細胞の入れ替えをすることで、永遠の命を手に入れた生命体が、わざわざ、寿命の時限爆弾をセットするのは何故なのか?
それは、寿命がなくても、天災や、外敵、病気など、命を奪うものが、世の中には、沢山あるからです。
天災や、外敵から身を守る為に、生命は子供を生むのです。
死にやすい種族ほど、たくさん生むのです。
もし、不老不死の生命体が、爆発的に子供を生んで、増え続けるとどうなるのか。
飢餓で自分の首を絞める結果に、なりかねません。
自然界とは、よく出来ています。
寿命をセットして、子供を生む時に、たくさん生んだり、少なくしたり、微調節ができるようにしているというわけです。
もう一つ、驚きのメカニズムがあります。
子供を、何人か生むと突然変異といって、遺伝子が少し、他のものと、違っているものが生まれるように出来ています。
その時の環境に、突然変異の子供の方が合っていたりすると、今度は、その子供が生き残って、子供を生み、進化が起こります。
つまり、突然変異というのは、わざとで、そうやって、繰り返すうちに、最初の固体から環境に応じて、個体の性質が、どんどん変わっていく事が起こります。
子供を生むシステムがなければ、環境に適応できずに、死んでしまう可能性が、高いということです。
つまり、個体は死ぬから生まれるのではなく、生むために死ぬのです。
全ては個体を永遠に続ける為に…
正に、生命の神秘と言えます。