DNAのお話

私たちの体は、約60兆個の細胞で出来ていると言います。

 

その細胞の一つ、一つに、核というものがあって、その中に染色体というものがあります。

 

その染色体には、二重らせん状のDNAが存在しており、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)という4種類の塩基が、およそ30億という膨大な遺伝子暗号として羅列されています。

 

遺伝子は、生命体の設計図です。

 

細菌から、虫から、魚から、動物、植物、生き物の全てが、この4種類の塩基の組み合わせで出来ています。

 

英語どころのさわぎではありません。

 

言うなれば、生物、全ての共通語です。

 

進化の過程で染色体の数やDNAの長さが変わりますが、素材は全て同じだという事です。

 

だから、細菌に人間の遺伝子を組み込むと、ちゃんと人間のタンパク質を作ったりする事が実験で実証されています。

 

なんとも恐ろしい話ですが、生物は皆、兄弟だと言う事です。

 

 

 

この遺伝子暗号には、人間の進化の過程が全て詰まっています。

 

この遺伝子は、子供を生む時に受け継がれます。

 

46ある染色体のうち、23がランダムに選ばれて、

 

精子や、卵子に乗せて受け継がれます。

 

子供は、父親(23)+母親(23)で、46の染色体を貰います。

 

だから、親と子供の似る確率は50%らしいです。

 

 

 

 

それと、話のついでに、ミトコンドリアという生物が人間の細胞の中におります。

 

酸素を使ってエネルギーを作り出す生物で、これがなければ細胞は生きていられません。

 

そして、このミトコンドリアは、核にある人間のDNAとは、違う、独自のDNAを持って生きています。

 

これを、mtDNAと言います。

 

太古の昔、単細胞生物に、細菌が入り込んで共生するようになったのが、ミトコンドリアの起源ではないかと言われています。

 

全ての生物の細胞に広く含まれている細胞内構造の一つで、一つの細胞に数百から数千個のミトコンドリアが存在すると言われ、ミトコンドリアが細胞内で呼吸をしてエネルギーを生産し、人間の体はそのエネルギーを活用し、身体を維持しているのです。

 

つまり、人間はミトコンドリアにエネルギーを生産してもらう代わりに、安全な住まいを提供しているというわけです。

 

なんとも、不思議な生物です。

 

 

 

 

結局、肉体という「物質」がなければ、人間の「精神」は存在できません。

 

だけど、その肉体を作る設計図を、生命体自身が生み出しているというのは、なんとも不思議な話です。