東寺3

今回、五重塔の東側の扉から中に入るようになっていて、入ってすぐ正面に阿閦如来(あしゅくにょらい)の像がありました。

ここも写真は撮ることが出来ないので、代わりにパンフレットを載せておきますので、内部のイメージだけでもご覧ください。

阿閦如来は、薬師如来と同じ仏様ではないかと言われています。

同じ東方を守護する仏様だからです。

東国の日本とは、深い係わりがあるようです。

如来は梵語名アクショーブヤの音訳であると言われており、 鏡のように全てを映し出すという意味で「大円鏡智」と呼ばれる智を表します。

北大門です。

ここにも、中国の伝説上の生物で、龍の子供であるという「贔屓」(ひいき)がいました。

浦島太郎を背中に乗せて龍宮城に連れていった「亀」とは、ここから来ているのでしょうね。

自分の気に入った者に対して肩入れし、援助することを「贔屓」(ひいき)と言い、「自分だけ」という意味の「依怙」(えこ)がつくと、「依怙贔屓」(えこひいき)となり、平等性を欠いた極端な肩入れを表す言葉になるそうです。

この「贔屓」(ひいき)という言葉は、全て、この生物から来た言葉だそうです。

それでは、観智院(かんちいん)行ってみましょう。

真言宗の勧学院で、いわば、大学の研究室のようなところです。

ここは、五大虚空蔵菩薩(ごだいこくうぞうぼさつ)と愛染明王(あいぜんみょうおう)の仏像を見ることが出来ます。

五大虚空蔵菩薩とは、虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)の五つの智恵を五体の菩薩像で表したものとも言い、五智如来の変化身(へんげしん)とも言うそうです。

密教の全てを受法し、唐より帰国する際に、龍神に守護されて、無事に帰還できたと言い、その龍神が虚空蔵菩薩だとされます。

住吉大神と同じ神様なのかもしれません。

こちらも、パンフレットだけ載せておきます。

この仏像が、五大虚空蔵菩薩です。

獅子、象、馬、孔雀、迦楼羅(かるら)に乗っています。

みんな虚空蔵菩薩の眷属のようです。


こちらが、獅子の冠を被り、弓矢を持つ愛染明王。

八幡神(はちまんしん)と同じ神様だと思われます。

獅子は、お稲荷さんを眷属として従えているという意味かもしれません。

浜田泰介画伯の「四季の図」です。

透明感のある風景画です。

展示物以外は、写真を撮っても構わないそうです。

こちらが、五大の庭です。

空海が、唐から帰国する際の海の様子を表しているそうです。

中央の五つの石が、五大虚空蔵菩薩だそうです。

お庭は、こんな感じでした。

それでは、南大門の方に行ってみたいと思います。

南大門のすぐ横には、弘法大師空海の像があります。

こちらは、南大門の西側にある八幡宮です。

秘仏の八幡三神像が祀られているようです。

八幡神は、応神天皇、神功皇后、比売神(ひめかみ)が祀られることが多い神様です。

比売神とは、宗像三女神のことです。

私は、サラスバティー(弁財天)、ラクシュミー(吉祥天)、パールバティー(大黒天妃)の三神は、三位一体の同じ神様だと思っています。

そして、この三神を密教で表現したのが、愛染明王という仏様です。

八幡三神像は、弘法大師作と伝えられているそうです。

足利尊氏も戦勝祈願に訪れたと言います。

こちらは、南大門の東側にある八島殿(やしまでん)です。

大己貴神(おおなむちのみこと)とは、大国主命(おおくにぬしのみこと)のことで、大物主命(おおものぬしのみこと)の子供だと言われます。

また、須佐之男命(すさのおのみこと)が櫛稲田姫(くしいなだひめ)との間にもうけた八島士奴美神(やしまじぬみのかみ)の五代あとの孫とも言われます。

「大八州瑞穂国」(おおやしまみずほのくに)とは、「みずみずしい稲穂の実る八つの島」という日本国の美称です。

この神様は、その国を治める穀物神だということです。

日本では、七福神の大黒天と同じ神様とされ、米俵に乗った姿で表されます。

しかし、大黒天は、インドではシヴァと呼ばれ、不動明王という荒々しい炎の神様とされます。

シヴァには、パールバティーという妃がいて、ダーキニー(ダキニ天)を眷属とする愛染明王のことです。

南大門を挟んで、愛染明王(獅子)と、不動明王(龍)を祀っている形になります。

東南アジアの寺院の入口には、シン(獅子)とナーガ(七頭の蛇神)の像が守っていて、まったく同じ配置です。

大国主命は、因幡の白兎に怪我の治療方法を教えた神様でもあります。

東寺のご本尊は、薬師如来だとされています。

どちらも病気を治す神様で、共通点があります。

「和邇(ワニ)」(物部氏)を騙して海を渡って来た「因幡(稲場)の白(新羅)兎(秦氏)」は、「和邇(ワニ)」に復讐されますが、それを大国主が助け、八上比売(やかみひめ)と大国主が結婚するという話です。


「和邇(ワニ)」は、日本に儒教と、漢字を伝えました。

「和邇(ワニ)」は、「王仁(オニ)」とも書き、応神天皇の時代に、百済から渡来した豪族で、奈良の添上郡(そえかみぐん)の和珥(わに)の地(現在の天理市和邇町)に居住しました。

のちに春日(かすが)に移って春日氏となるので、藤原氏とは同族です。

桃太郎(雄略天皇)の鬼退治(吉備氏の乱)の鬼のモデルの吉備氏も、和邇氏と同族のようです。


それから、八上比売(やかみひめ)の八上とは矢神でもあり、秦氏系のお姫様なのかもしれません。

もともと、秦氏は弓月君(ゆづきのきみ)の子孫だと言い、弓と月に係わりが深い渡来人でした。

奈良の大和郡山市(やまとこおりやまし)の矢田町(やたちょう)に居住し、八田部(やたべ)と名乗りました。

部は、朝廷に管理された技術者集団のことです。

蚕を養殖して絹の生産を行いました。

また、秦伊呂具(はたのいろぐ)が丸い餅を的にして弓矢で遊んでいた話があるように、弓矢以外に、お餅も、秦氏が持ち込んだ食べ物なのかもしれません。

古代、日本では、満月の中には「餅つきをする兎」がいると言われていて、満月を望月(もちづき)と呼び、真ん丸のお餅を、鏡餅(かがみもち)と呼びました。

鏡も、秦氏が日本に持ち込んだ可能性が高く、八咫鏡(やたのかがみ)は太陽を表すのではなく、「太陽の光を反射する月」を表しているのかもしれません

和邇氏も、秦氏も同時期に、渡来したグループだったようです。


八上比売(矢神比売)と結婚した大国主ですが、彼には、須佐之男命(すさのおのみこと)(蘇我氏)の娘である須勢理毘売命(すせりびめのみこと)と言う正妻がいて、入婿のような形で、古代の日本を統治していました。

古事記や、日本書紀の国譲りの神話では、天皇(天照大神)の使いの藤原氏(タケミカヅチ)が、稲佐の浜辺に降り立ち、十拳剣(とつかのつるぎ)を逆さまにして波頭に刺し立て、その切っ先の上にあぐらをかいて座り、大国主に武力を背景に国譲りを承諾するかどうか、諾否を迫ったと書かれてあります。

大国主の子供のコトシロヌシ(恵比寿神社)や、タケミナカタ(諏訪大社)が反対しますが、打ち負かされて、最終的に、大国主は、天照大神に国を譲り、出雲大社に祀られる形になります。

つまり、日本には、天皇(天照大神)、藤原氏(月読命)、蘇我氏(須佐之男命)という三つの勢力が存在したということです。


蘇我氏は、唐が影響を受けていたアケネメス朝ペルシアの王都、スーサの王(スサノオ)の子孫で、飛鳥時代にシルクロードを通じて日本に渡来した可能性が高いように思います。

天皇は高句麗(こうくり)経由のシュメール文明で、藤原氏は百済(くだら)経由のアッカド文明です。

日本という国は、シュメール、アッカド、ペルシアといった文明を築いた王族の住むとんでもない国で、中国を最初に統一した秦の始皇帝の末裔とされる秦氏も、ペルシアの集団の一員として、渡来したのだろうと思われます。

おそらく、シルクロードの終着点で、東の最果ての国という立地条件が、そういった環境を作ったのだろうと思います。

こちらが南大門です。

弘仁7年(816)、空海は、紀州田辺で稲荷神の化身である異形の老人に出会って、私の教えを受ける気はないかと問われたそうです。

空海は、「中国の霊山においてあなたを拝んでお会いしたときに交わした誓約を忘れることはできません。私には密教を日本に伝え隆盛させたいという願いがあります。神さまには仏法の擁護をお願い申し上げます。京の九条に東寺という寺があります。ここで国家を鎮護する為に、密教を興すつもりです。この寺でお待ちしておりますので、必ずお越しください」と答えたそうです。

弘仁14年(823)の4月13日、紀州で出会った神の化身の老人が稲をかつぎ、椙の葉を持って婦人2人と子供2人をともないこの南大門にやって来たと言います。

これは、東寺に伝わっている『稲荷大明神流記』に記載されている伝説で、これ以降、お稲荷さんが密教を守護する神様となったそうです。

 

 

お稲荷さんとは、仏教の名称で、神道では宇迦之御魂大神(うかのみたまおおかみ)と言います。

密教と結びつくことで、全国へと信仰が広がっていきました。

全国のお稲荷さんの神社は、四万以上と言われ、ビルの屋上などの小さな社も含めると無数の数に及び、日本でもっとも信仰された神様です。

伏見稲荷大社の「千本鳥居」が象徴するように、この神様は、「朱の鳥居」がシンボルです。

鳥居は、白い鳥を表し、朱は、弁財天の色で、丹生明神を表しています。

丹生明神は、シュメール神話のイシュタルという女神です。

イシュタル(天皇)に仕えるアンズー鳥(秦氏)の氏神です。

 

それでは、この辺で、終わりにしようと思います。

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